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TAKIZAWA TAKUTO

滝澤琢人

日本代表カントリーディレクター

アプリ市場を網羅する世界唯一の企業で、
データからインパクトを生み出す。

滝澤 琢人

生活者のリアルを伝えるアプリ利用データ。
世界のトップパブリッシャー100社で9割が活用。

まず簡単に、App Annie の事業内容を教えてください。

App Annie は、モバイルアプリを用いるすべてのビジネスをターゲットに、市場を可視化するデータと分析を提供する企業です。2大プラットフォーマーであるApple、Googleが提供するアプリストアを含め、主要なプレーヤーとパートナーシップを結び、アプリ市場全体が見渡せるデータを保有している世界唯一の企業です。こうした強みもあり、アプリの配信事業を行っている世界トップ100社のうち、実に94社が当社の顧客。80万人以上の企業ユーザーに利用されています。市場動向を報じる各国の著名メディアにも、当社発表のデータが引用されています。

 

提供しているのは、どのようなデータですか。

スマートフォンなどにインストールされるアプリの1つ1つについて利用状況を可視化しています。具体的には、アプリがどこの国で利用されているか、どの程度の利用頻度か、1回の利用時間はどのくらいで、アプリで直接課金を行う場合はアプリでどれほどの額が消費されたかといったデータを独自に分析し推計値として顧客に提供しています。提供しているデータの種類は30種類以上、過去データは最大で7年前から最新は前々日まで、データの粒度は日別・週別・月別です。国は最大で155ヶ国をカバーしておりますので、全世界の日々の動きを把握し、精度の高いデータによって意思決定することができます。

顧客が自社で取集、分析できるデータとは何が違うのですか?

どの企業も、自社でアプリを使ったサービスをリリースした後は自社で収集したデータから顧客の行動や反響を分析しながら次の戦略を立てていると思います。当社のサービスが異なるのは、競合を含めたアプリ市場の中で、自社の強みがどこにあるかという全体的・相対的な理解が得られる点です。ビジネスを飛行機の操縦に例えれば、機内の乗客に関する情報、出発地や目的地、進行速度や高度や機内外の温度といった情報(内部環境)、それらの情報と同様に重要なのはGPSや管制塔から寄せられる相対的なデータ(外部環境データ)によって、自らのポジションや方向を常に把握し、離陸や着陸などの重要な判断を要する場面では、自機の置かれている状況を正しく理解して意思決定していくことが欠かせないのと同じです。

ネット接続の主役となったスマホ。起きている間、片時も手放せない人さえいます。

今や全世界で30億台のスマホが使われ、2020年には60億台にも達する急速なスマホの普及が予測されています。モバイル端末はすでに多くの人々の生活の中心を占めつつあります。肌身離さず持ち歩いている端末のアプリから多様なサービスが得られるためですが、サービスを提供する側の企業にとっても、モバイルによるマーケティングの魅力は大きいのです。
接触時間が圧倒的に長く、しかも情報を双方向にやりとりできるスマホは、テレビに代表される従来のマスメディア以上のインパクトが期待できる媒体です。すでに、小売やゲームといった典型的なB to Cに限らず、あらゆる業種がモバイルアプリを入り口として、モバイルアプリを通じた生活者とのエンゲージメントを重要視するといった動きが出てきています。そういった市場理解を通じて、モバイル中心の生活者に向けたサービスが生み出されています。重要性をさらに増していくビジネスの最前線に、羅針盤となるデータを提供するのがわれわれのビジネスだということです。

グローバル市場を読み解き、あらゆる産業に「カスタマーサクセス」を

世界と日本での事業展開は、現在どうなっていますか。

従業員は全世界でおよそ450人いて、さまざまなアプリのデータを収集・分析するエンジニアとお客様が利用できるようなプロダクトとして作っていくチームがその半数を占めています。残りがお客様と一番近い立場にある営業、マーケティング、グローバルにカバーしているバックオフィスなどです。米国サンフランシスコにある本社をはじめ各国に15の拠点がありますが、全社に占める売上のシェアも大きい日本は重要市場の1つに位置づけられています。App Annieの営業・マーケティングチームは世界市場を3つのリージョンでカバーしており、AMER(南北アメリカ大陸)、EMER(ヨーロッパ・中東・アフリカ)、そして日本があるAPAC(アジア太平洋)です。APAC本社はシンガポールにあり、ここ東京のオフィスは日本全国をカバーする営業拠点で、所属しているのは約20人。本社や各拠点と密にコミュニケーションを取っています。

「外資系」ではなく「グローバル企業」という印象ですね。

その通りです。モバイルアプリがグローバルなプラットフォームで流通しているため、パブリッシャーやアプリから集まってくるわれわれのデータも、それらを分析して提供する事業のオペレーションも、ベースは世界共通です。一方で、データから何を得たいかというニーズは各国ごとに大きく異なり、さらに顧客企業間でも違いがみられます。グローバルな市場のデータをどういった切り口でまとめ、顧客企業のビジネスに役立てるか。営業担当者にとって、そこが腕の見せどころになっています。

営業活動では、特に既存顧客へのアプローチに特徴があると聞きました。

はい。顧客1社ごとに、役割の異なる2人が付く仕組みになっています。そのうち1人は、いわゆるお客様から見たご契約の“担当者”。サービスをご提案し、お問い合わせをいただく『アカウントマネージャー』です。ユニークなのはもう1人の『カスタマーサクセスマネージャー(CSM)』で、個人的にはこれがApp Annieのビジネスを象徴する業務と考えています。

具体的に、どんな業務でしょうか。

最短で1年、なかには5年以上の長期契約をいただくお客様もいらっしゃり、このような顧客企業との長期的な関係の中で、カスタマーサクセスの役割は、お客さまの事業目的や課題を深く理解すること。その上で、われわれが持つデータの塊から役に立つ部分をお客様のビジネスにあった視点で切り出し、活用をお手伝いしていくことです。アプリの利用データをもとにビジネスの成功を呼び込み、データの価値を実感していただくミッションと言ってもよいでしょう。お客様の中で弊社のデータを活用する部門はマーケティング部門だけではありません。市場分析は経営戦略として使われますので、経営者や事業責任者とお話することも多いですし、お客様の組織の中でデータの活用機会やビジネス貢献ができる部門を積極的に探し、新しい関係性を構築しながらデータ価値を訴求していくことも大きなミッションの一つです。

カスタマーサクセスという職種はApp Annie固有のものでしょうか?

いえ、違います。より大きな視点でこの数十年の世界の産業構造の変化をみると、あらゆる産業において、製品の提供からサービスの提供へとシフトしています。この流れはIT産業にももちろん大きなインパクトをもたらし、とくに直近10年で急激な地殻変動が起こりました。クラウド化はその最たる例です。CSMという役割は、日本では聞き慣れないかもしれませんが、SaaS(サース、ソフトウェアをサービスとして提供する販売方法)の販売モデルから産まれました。SaaSの出現により、企業システムのあり方、ITベンダーの販売手法や、企業との関係性を根本から変えてきました。SaaS企業にとってのCSMは、自社のビジネスの根幹を支える重要な役職と認識されています。CSMとは、製品の利用価値をどう高めていくかを追い求めていく新しい時代の営業職です。すべてのBtoBサービスにとってカスタマーサクセスはなくてはならない存在になっており、これからもその役割はますます重要視されています。

一般的にCSMに求められる仕事と、App AnnieでのCSMは何が違うのでしょうか?

App Annieは分析ツールを提供していますが、それはデータを届けるための道具であり、本質的には企業の意思決定の根拠として必要なものはデータの中身そしてそこから導かれるアクショナブルなインサイトです。顧客価値という視点でわれわれのサービスをみると、データが主であり、分析ツールは従という関係が成り立っています。一般的にCSMに求められる役割は、サービスの利用を促進すること、利用者数を拡大させ、利用頻度を上げていくことです。つまりCSMは、営業の実績を測るKPIは売上ですが、利用状況と連動していることが多いのです。当社は異なります。プロダクトの利用を促進させることは、データが活用された結果の一つの指標としての判断材料に過ぎません。CSMにとって、プロダクトの利用を促進させることは一つの手段であり、顧客の中でのデータのビジネス価値を高めることが課せられている役割です。

製品の利用が必ずしもお客様のビジネス価値につながらないということですか?

お客様によって、そういうお客様もいらっしゃいますが、必ずしもそうではありません。弊社の販売しているプロダクトは、お客様がすでにお持ちのデータについて分析をお手伝いするものではなく、競合情報をはじめとする外部環境のデータとなります。データによって取るべきアクションを求める前に、数字を使う側の利用目的が明確になっていない段階で、数字だけを見ているだけでは何も生まれません。競合の動きやトレンドは理解できたとしても、「自社がその情報を知ってどうするのか?」という部分において、何もインパクトを与えることができません。そのため、市場データは「眺めて満足」してしまうということが、よく起こります。お客様の中で、ビジネスの課題を探していくプロセスが、CSMを通して行われるコミュニケーションには必要です。お客様が必ずしも気づいていない課題や機会を発見し、データの利用目的を明確にしていく能力が求められています。

App AnnieでのCSMのKPIは何ですか?

市場データからのビジネス価値を創出した結果、お客様から継続契約をいただくこととで達成した契約金額であるARR(Annual Recurring Revenue, 年間契約高)がメインのKPIです。それに加え、お客様の顧客満足度をNPS(ネットプロモータースコア)で測って評価に取り入れています。ARRの目標金額はそれぞれのCSMが担当している企業の会社規模によって異なります。お客様にリニューアルのご契約をしていただくことが、CSMのメインの役割と責任です。SaaSカンパニーのグローバルスタンダードに基づいてCSMのKPIが設定され、App Annieではグローバル基準の仕組みを採用しています。

日本でのCSMの採用計画は?

全世界にCSMが30名以上在籍しております、日本では現在2名体制から4名体制への増員を行なっています、2018年以降も増員を予定しており、1名のCSMが担当するのが約30〜50社前後となります。弊社はコンサルティングサービスを提供している会社ではないため、比較的多くの会社を幅広くカバーするのが特徴です。どのCSMがどのクライアントを担当するかは、会社のアカウントの状況、会社の規模、グローバルなサポートのニーズ、業種、チームのバランスなどを考慮してを決めています。状況に応じて担当する業種や業界も変わりますし、お客様側が求めるニーズも日々変化しているため、チームでパフォーマンスを発揮できるように常に最適化しています。

求めるのは「仮説を立てて実行につなげる」「変化の中で学び続ける」マインド

お話を伺っていると、カスタマーサクセスの役割には「コンサルタント」と「営業」の両面がありそうですね。

ええ。ですから私は『数字を背負って前線に立ちたいコンサル出身者』と『データから仮説を立てるスキルを磨きたい営業出身者』には、ぜひカスタマーサクセスの仕事を知ってもらいたいと考えています。真に分析力のあるコンサルタントが顧客の成功と評価を追求するのは有意義だと思いますし、営業でヒューマンスキルを磨いてきた方は、立てた仮説を顧客とともに実証していく段階で自身の強みを実感できるでしょう。

 

ずばり「App Annieを選ぶキャリアで得られるメリット」は何でしょう。

終身雇用を前提としていない当社では、ステップアップを念頭にキャリアを積んでいただくこととなりますが、アプリの利用データ分析を通じてリアルな生活者の行動をつかむ経験や、とらえどころのない『データ』という商材から価値を生み出す経験は、今後あらゆる業界で大きな武器になると断言できます。さらに、国内勤務でありながら純粋なグローバル企業のワークスタイルが身につく点も魅力といえるでしょう。当然、それ相応の英語力が欠かせませんが、入社時点で英文ウェブサイトから情報収集できる程度の素地があれば、あとは努力次第です。将来、マネジメントのポジションを目指すのであれば、社内の共通言語は英語ですし、常に周囲に影響力を与えられるような英語力は必須となりますが、まずは英語での社内社外の最新の情報を自ら収集し、それを日本語で顧客に伝えられる能力が最低限必要となります。

App Annieといえばゲーム会社が使っているツールというイメージがありますか?

私が入社した3年前はそうでした、現在もゲーム会社の収益は全体の4割近くあり、永くご支援いただいている大切なお客様です。最新の市場データを駆使し、日々のビジネスに欠かせないと、おっしゃっていただいているお客様が少なくありません。しかし、現在は新規にお取引いただく会社様はのほとんどは非ゲームであり、さらにはIT企業ではありません。そのため、会社全体としてブランド企業(いわゆるナショナルクライアント)のビジネスをどうモバイル視点で読み解いていき、お客様のビジネスの成功に貢献できるか、消費者視点から、モバイル中心の消費が顧客企業にどのようなビジネスチャンスがあり、何を成功像として求めていくのかが求められています。

App Annieでの社内の雰囲気や、App Annieで活躍している人はどんな人がいますか?

エンタープライズ向けの製品を扱うBtoB企業でありながら、働く環境は自由度が高くオープンです。ビジネスの結果を出し続けることに対する信頼感を常に保ち、情熱的なメンバーが揃っていると感じています。組織が日本国内だけで閉じていないので、海外から常に新しい情報が入ってきますし、それぞれバッグラウンドが違うメンバーが、それぞれの強みを生かして助け合いながら、常に変化を楽しんでいます。それぞれが明確な役割と責任を負いながらも、チームでの成功を追い求め、力強いビジネスを作っていくという社風だと思います。いまのチームメンバーに、モバイル業界出身者はほとんどいません。アプリ以外の市場データの営業をさせた方、リサーチ業界で市場分析のコンサルタントをさせた方、広告代理店の営業職で、クライアントのモバイルやメディアプランニングをさせた方、スタートアップの事業責任者としてモバイルアプリを使って国際的なビジネスを拡大させた方などが、グローバルでのスタートアップの経験を積むためにApp Annieへ入社して、活躍しています。

最後に、未来の同僚へ向けたメッセージをお願いします。

独自性の高いサービスを、あまり例のない営業手法で広めているApp Annieという企業に少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひ一度オフィスに来て、明るくオープンなカルチャーを体感してほしいですね。モバイルアプリは、成長を続ける非常にエキサイティングな市場ですが、それだけに情勢は常に変わり、社内の方針が『朝令暮改』となることも珍しくありません。こうした環境を前向きに受け入れられる方、進んで変化の中に身を置いて学びたい方をお待ちしています。営業スキルを高めていく方向の一つとして、データから市場の変化をご自身の視点で語れるれるようになりたいという方、さらにそのデータをお客様が取るべきアクションへと落とし込んでお客様へのビジネスに貢献することに喜びを感じていただける方には、この仕事の醍醐味を味わっていただけると思います。